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【家づくりのコツ】家づくりの目的を考えてみよう。【一級建築士に聞いてみた】

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家づくりを考えはじめたみなさん。「後悔のない家づくりをしたい」とSNSで検索し、自分好みの素敵な家を見つけてたくさん保存をしていませんか?もしあなたが、その画面の中にある「誰かの素敵な家」をそのままマネしようとしているなら、一旦ストップしてこの記事をぜひ読んでほしいです。今回は、「後悔のない家づくり」をするためにまず考えてほしいことをお伝えします。

「家」を建てるときに最初に考えてほしいこと

みなさんに「どんな家がいいですか?」と聞くと、「20帖くらいの吹き抜けリビングが欲しいんです」とか「インスタで見たこんな感じのキッチンが良くて」とかたくさんイメージをお持ちいただきます。SNSを開くと、キラキラした写真がたくさん目に飛び込んできますよね。「素敵なキッチン!ひろ~いリビング。こんな家に住みたい!」そう思うのは、自然なことでしょう。

でも、家を建てるときに最初に考えるのは大きさや間取り、デザインなどの「形」の部分でしょうか?

ちょっと立ち止まって考えてみてほしいんです。

「何」のために家を建てる?

 そもそも私たちは「何」のために家を建てるんでしょう。

「結婚を機に、将来のことを考えて」

「子どもの成長とともにアパートが手狭になってきたから」

「趣味を楽しむスペースが欲しくて」

人によって、理由はそれぞれですよね。

でもきっとみなさん共通しているのは「今よりももっと、幸せに暮らしていくため」だと思うんですよね。

「家を建てるため」が、家づくりの目的になっていないでしょうか?

家づくりの目的を考えるときは「根拠」を大切に

まずはあなたが「どんな時に幸せを感じるか」、「これからの暮らしで何を大切にしたいか」を思い浮かべてみてください。

そしてそれには何が必要でしょうか。もっと深く突っ込んで、どうしてそれが必要だと思いますか?

具体的な広さやデザインなどの情報からイメージするのではなく「理想の暮らし」から考えていくことで、必要な間取りや設備が見えてくるはず。大切なのは、自分たちのライフスタイルに絶対必要だと言える「根拠」を見つけることです。まずはあなたが「どんな時に幸せを感じるか」、「これからの暮らしで何を大切にしたいか」を思い浮かべてみてください。

 PLUS ONE. 

理想の暮らしから空間の必要性を考える

今「欲しい」と思う空間や設備を、一度「暮らし」に置き換えてみましょう。「なぜ?」とか、「どのくらい?」なども想像してみましょう。場合によっては想定しているものや大きさでなくても叶えられるかもしれません。

広いリビング

・「開放的な空間でゆったり過ごしたい」
・「リビングの一角に趣味を楽しむ空間を作りたい」

→適性なサイズでない場合、暮らしづらくなってしまうことも。家族構成や置く予定の家具はもちろん、プロのアドバイスにも耳を傾けましょう。イメージの大きさではなく、実際に空間を体感して感覚をつかむのも大切。

たくさんの収納

「食材や日用品のストックを取り出しやすいところにしまっておけるスペースが欲しい」
・「趣味で使う道具があり、保管する場所が必要」

→収納スペースが増えることで他の空間が限られてしまうというケースもあります。スペースを増やすのではなく、本当に必要なモノを見極めるというのも新しい暮らしのスタートをきっかけに考えてみるのもいいかもしてません。また趣味用品は屋外で使うものであれば家の中で保管せず、物置を設置する方がコストも動線も抑えられる場合も。

こもれる書斎

・「読書をしたり一人で過ごす場所がほしい」
・「リモートワークが多いので集中できる部屋を作りたい」

→リビングや寝室の一角にスタディースペースをつくり、「スペースを家族とシェアする」という選択肢も。壁や建具などの仕切りはコストがかかり、汎用性も少なくなるため、他の空間と目的を兼ねるといいかもしれません。

理想の間取りは自分の頭の中にある

SNSで見かける素敵な家は「投稿主の暮らし」であり、「投稿主の理想の作品」です。あなたにとって「最適」であるか判断するのはとっても難しい。せっかくの「自分の家」なのに、他の誰かの暮らしに、自分の暮らしを合わせるのはもったいないと思いませんか?

もちろん家づくりに正解はありませんが、あなたにとっての「最適」な間取りは、あなたの「頭の中」にしか存在しないんです。

家づくりは、単なる「箱」づくりではありません。「今よりももっと幸せな暮らし」をつくるための手段のひとつでだ。みなさんそれぞれの「家づくりの目的」をしっかりと見つめ、本当に求めている住まいを叶えましょう。あなたは「どんな暮らし」がしたいですか?

-ABOUT ME-この記事を書いた人

栗林建設有限会社
代表取締役社長 
栗林 宏至

一級建築士、一級建築施工管理技士。長野県内の大手ゼネコンにて現場監督を経験したのち、現在は長野市松代町で100年続く工務店・栗林建設の代表として、設計~現場管理まで徹底的にこだわった家づくりをしています。定期的に開催している住まいのイロハ相談室では、間取りとかデザインとか家の話はしません。「家づくりをスタートするときにまず考えてほしいこと」をお伝えしています。お気軽にご相談ください。