
「うちの家、地震は大丈夫かな?」全国で発生する地震のニュースをきっかけに、耐震リフォームが気になり始めたという方も多いのではないでしょうか。でも実際は「どこに相談すればいい?」「耐震リフォームって大がかりなのかな?」と、分からないことだらけだと思います。このコラムでは、お家のリフォームを考え始めた方のための耐震リフォームの考え方と流れを解説します。
目次

耐震リフォーム工事の種類と費用の目安
耐震リフォームには、いろいろな方法があります。一般的な工事の例を見ていきましょう。
| 工事内容 | 内容の説明 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 柱・耐力壁の補強 | 柱や耐力壁を増やしたり、配置を整えることで、建物全体のバランスを改善します。 | 数十万円〜100万円台 |
| 金物補強 | 柱・梁・土台の接合部を金物で補強し、揺れで外れにくくします。 | 約40万円前後 |
| 屋根の軽量化 | 瓦屋根を軽量瓦や金属屋根に替え、地震時の揺れを抑えます。 | 80万円〜200万円前後 |
| 減築 | 2階を小さくする、平屋にするなど、建物をコンパクトにして安全性を高めます。 | 建物規模により大きく変動 |
| 耐震リフォーム全体 | 壁・金物・屋根軽量化などを組み合わせた一般的な耐震改修。 | 約120万円〜200万円以上 |
耐震リフォームは、家を部分的に直すのではなく、建物全体のバランスを考えながら安全性を高める工事です。そのため内容によっては費用がかかることもありますが大切な工事なので、多くの市町村で補助金制度が設けられています。
自治体や年度によって差がありますが、概ね100万円程度の補助がでます。予算が決まっているので、早めに計画を進めましょう。
誰に相談する?
県に登録されている『長野県木造住宅耐震診断士』に耐震診断を依頼しましょう。
(※昭和56年5月以前に建てられた旧耐震基準の建物であれば基本的に無料で診断ができます)
お家の図面や現地を確認しながら、「この家は地震にどれくらい耐えられるか」を診断士が現在の基準でチェックをします。
(詳細はこちら▸住宅の耐震化をお考えの方へ)
コネクタロでお取引のある会社さんにも診断士さんがいらっしゃるのでご紹介も可能です。
POINT. わが家はどっち?「新」と「旧」の耐震基準
日本の住宅は、建てられた時期によって耐震基準が分かれています。
旧耐震基準:昭和56年(1981年)5月31日以前に建てられた住宅
新耐震基準:昭和56年(1981年)6月1日以降に建てられた住宅
耐震に対する考え方や作り方、補助金が使えるかといった点が変わってきます。
旧耐震基準では大きな地震の発生を想定していなかったため、柱や梁をつなぐ金物をほとんど使っていなかったり家全体のバランスが考えられていない建物が多いんです。
PLUS ONE. 参考:歴史で見る基準の変化と耐震性能の大切さ
日本の住宅の耐震基準は大きな地震の経験をもとに強化されてきました。

・1978年 宮城沖地震
当時、比較的新しいとされていた住宅にも大きな被害がでました。
壁の量や建物のバランスといった部分が問題視され、1981年に現在の新耐震基準が制定。
・1995年 阪神・淡路大震災
旧耐震基準の建物が多く倒壊しました。
新耐震基準の建物でも、金物がしっかりと繋がれていないことで損傷が見られました。建物の「接合部」の重要性が見直され、2000年に金物の種類や取付が義務化となりました。新基準でも建物によって差があることから現在も使われている「耐震等級」が生まれました。「最低限の基準」だけでなく、どのくらい安全かを“見える化”しようとなったのです。
・2011年 東日本大震災
倒壊は免れても「住めなくなる家」が多数発生。
「倒れない」から「住み続けられる」という考え方が増え制震や免震への注目が高まりました。
・2016年 熊本地震
大きな地震が連続して繰り返し発生したことで、新耐震基準・2000年基準の家でも被害を受けた家が多くありました。
「一度耐えればOK」ではなく繰り返し発生する地震にも耐えられるよう制震ダンパーなどに注目が集まりました。
・2024年 能登地震
地域的に「瓦屋根」+「壁不足」の古い木造住宅の倒壊が目立ちました。
こうした被害を受け、旧耐震基準の住宅が抱える危険性があらためて見直され、「耐震リフォーム」の必要性が強く意識されるようになっています。長野県でも、旧耐震基準の住宅を対象に耐震改修への補助金が最大50万円上乗せ(※令和7年度限定)されるなど、自治体としても地震への備えを後押ししています。
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