
家を建てるとき、どんな間取やデザインにするか悩みますが、どんな「材料」を使って、どんな「方法」で建てるか「構造」も大切。
家の構造は、住まいの強さ・快適さ・コスト・メンテナンス性を左右します。
今回は代表的な4つの工法をご紹介します。
目次
工法の種類
① 木造軸組工法(在来工法)
日本で最も多い伝統的な木造の建て方。柱と梁で支える「骨組み構造」で、自由度の高い設計ができます。
メリット
・間取り・デザインの自由度が高い
・将来のリフォームもしやすい
・日本の高温多湿な気候風土に適している
・対応できる会社が多い
デメリット
・職人の技術で品質の差が出やすい
・断熱・気密の確保には施工精度が必要
・シロアリ・火災対策が必要
② ツーバイフォー工法(2✕4・木造枠組壁工法)
北米で生まれた「枠組壁工法」。柱ではなく壁(面)全体で建物を支える構造です。
メリット
・面で支える構造で地震や台風に強い
・高断熱・高気密な家がつくりやすい
・材料が規格化しており品質が安定しやすい
デメリット
・将来的な間取りの変更が難しい
・吹き抜けや大開口の設計が一部制限される
③ 鉄骨造(S造)
鉄の柱や梁で支える強固な構造。2〜3階建て住宅や賃貸併用住宅などに多く採用されています。また体育館や工場などの大空間が特徴の建物にも鉄骨造が多いです。
メリット
・高い耐震性・耐久性
・大空間・大開口を実現できる
・シロアリ被害がほぼない
デメリット
・コストが木造より高め
・そのままだと寒くなりやすい(熱を伝えやすいため)
④ RC造(鉄筋コンクリート造)
鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造で、強度・耐火性・遮音性が非常に高いです。
メリット
・圧倒的な耐震・耐火・遮音性能
・外気温の影響を受けにくい
デメリット
・建築コスト・工期ともに大きい
・結露や湿気対策が必要
・対応できる会社が限られる
⑤ ユニット工法
お家をいくつかの“箱(ユニット)”に分けて、工場であらかじめ製造し、現場で組み立てる方式です。
主に一部ハウスメーカーで取り入れられています。構造材は鉄骨や木質などメーカーによって異なります。
メリット
・工期が短く、天候に左右されない
・工場生産なので品質が安定している
デメリット
・間取りの自由度が制限される
・クレーン搬入など立地条件に影響される
それぞれの特徴と「向いている人」
| 構造 | 設計自由度 | 耐震性 | 断熱性 | コスト | 工期 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 木造軸組工法(在来) | ◎ | 〇 | 〇 | ◎ | △ | 自由設計で間取りにこだわりたい人。木の質感や自然素材を重視する人。 |
| 木造枠組工法(2×4・2×6) | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 | 地震や台風などの自然災害に備えたい人。工期やコストを抑えたい人 |
| 鉄骨造 | 〇 | ◎ | △ | △ | 〇 | 広い空間を取りたい人。デザイン性や耐震性を重視する人。 |
| RC造(鉄筋コンクリート) | 〇 | ◎ | ◎ | △ | △ | 重厚感・静音性を求める人。都市部や傾斜地で建てたい人。 |
| ユニット工法 | △ | ◎ | 〇 | 〇 | ◎ | 短期間で高品質な家を建てたい人。間取りに大きなこだわりがない人。 |